松本復興相の発言問題

今回の発言で私が感じたことは、

  • 大臣はあまりにも視野が狭い。
  • 大臣は全く空気が読めない。

ということです。


テレビで地方自治体の人たちと大臣が打ち合わせしている映像を見ました。3か所ほどでいろいろな話をしていました。


映像をみると大臣は非常にやる気があり前向きの人のようですね。また今まで彼の周囲で仕事をしていた人たちもやる気のある人が多かったのでしょう。


ですので、「みんなでしっかりとやっていこう。やる気をだそう。行動しよう。」ということが言いたかったのでしょう。


やる気が高くて礼儀正しい人しかいなく、皆が時間に余裕がある世界なら、大臣の発言は特に問題ないと思います。


しかしまだまだ世界はそんな理想的世界を達成していません。


そんな世界観を全ての人が理想として持っている、と勘違いしているのではないかと思います。


大臣の言葉を聞いて、非難を受けたと感じたり、希望がたたれたと絶望した人も多いのでは無いでしょうか。


普段ならやる気を出して行動するけど、震災の絶望で気力を失っている人。すでに十分努力をしている人。そんな人が大臣の言葉を聞いたら、今後自分は何をしていいのか混乱してしまうでしょう。
「震災だろうと自己責任が当たり前。努力しても結果を出せない人はいらない。やる気のない人は存在する意義がない。」と言われたように感じて当然の発言だと思います。


個人的には、政治家の発言であれほど不快感を覚えたのは40年以上生きていて初めてです。仕事で関わったワースト1上司並です。


理想を掲げるのはすばらしいことですが、それをあらゆる人に強要するようでは非常に問題です。
しかも謝罪会見の前までの記者対応で「発言に問題がなかった」と話しているのですから、世界観を強要していることに本人がまったく気づいていないのです。


多くの政治家が自分の発言に非常に気を配り、熟考して話をするのが当たり前のご時世です。そんな中自分の発言の何がまずかったのか、女房に指摘されるまで分かっていなかったというのですから、空気を読む能力が皆無なのでしょう。謝罪はしましたが、実は今もなにが悪かったのかに気づいていない可能性があります。


5回ぐらい辞任しなければならないぐらい、ひどい発言だったと思いますが、何が悪かったのか読み取れないのですからどうしようもないでしょう。
他の大臣が発言で辞任に追い込まれる事はよくあることですが、その辺の理由も分かっていないぐらい鈍感なのか、もしくは、小さな世界観でしか考えていないので自分は正しいことしか言っていないという思い込みが激しい人なのか、どっちかでしょう。


視野の狭い人は、裏を返せば、余計なことに一切目をくれず目標に向かって最短距離で突き進める人です。トラブルはある程度起こしますが、目標達成は速いのです。
このような人は好調期には非常に成功しやすい人です。多少の失敗はあまり問題にならず、成功すれば失敗のことなどどうでもよくなるからです。
しかし不調期には小さな失敗が命取りになることが多くなりますから、このような人が成功するのは難しくなります。


辞任するかどうかは本人の考えですから、辞任したらいいかどうかについて私はなにも考えていませんが、辞任しないのだったら行動力を示しきちんと成果を出して欲しいものです。