水1リットルの放射能について

水1リットルの放射線暫定規制値
100ベクレル(乳児)と
300ベクレル(乳児以外)について、
自分なりに計算してみました。


以下では単位を次のように記述します。

マイクロシーベルト μSv
ベクレル Bq
グレイ Gy
ジュール J

基礎知識

平均的な日本人は年間、
自然被曝として1420μSv/年
医療被曝として2350μSv/年
合計3770μSv/年
の被曝をしている。


なお、世界平均は、
自然被曝として2400μSv/年
医療被曝として600μSv/年
合計3000μSv/年
となっている。


ブラジルのガラパリのように
地面からの放射線だけで10000μSv
という地域もあるそうです。


また食料、飲料で最近話題のベクレルは、
そもそも野菜にはK-40などの
カリウム中性子を持った
放射性カリウムが少なからず含まれています。
100gあたり10〜100Bqは普通の値のようです。
また草食動物である牛なども
放射性カリウムが含まれている草を食べるので、
100gあたり10Bq程度は放射線が出ているそうです。



ヨウ素131(I-131)

ヨウ素131は、
半減期が8.04日
経口摂取の実効線量係数は2.2e-8Sv/Bq
となっています。


1リットルあたり300ベクレルの水は

2.2e-8Sv/Bq = 0.000000022Sv/Bq = 0.022μSv/Bq
300Bq/kg x 0.022μSv/Bq = 6.6μSv/kg

となります。


この水を毎日2リットル
飲んだり、料理に使ったりを
1年間行うと、

6.6μSv/kg x 2kg/日 x 365日/年 = 4818μSv/年

となります。


一生飲み続けたら

例えば100年間飲み続けたら、

4818μSv/年 x 100年 = 481800μSv (481.8mSv)

となります。
100年間の累積ですら500ミリシーベルト未満です。


しかも仮に放射線でDNAが傷いても、
少しの傷ならば時間とともに修復されます。
また大きな傷になり細胞がガン化しても、
通常は細胞が自殺(アポトーシス)して
ガン細胞が増え続けることはありません。

どの程度なら心配したらよいか

細胞の修復能力を考慮に入れたなら、
数年にわたる累積Sv値を考慮するのは
あまり意味がないでしょう。


比較的短い期間に、一定量放射線
被曝したのでもなければ、
ほとんど気にする必要はなさそうです。


仮に比較的短い期間を1か月、
定量放射線を100,000μSvとすると、

100,000μSv ÷ 0.022μSv/Bq = 4,545,455Bq
4,545,455Bq ÷ 30日 = 151,515Bq/日

となります。
これは、

50,000Bq/kgの水を2リットル(100,000Bq)
ほうれん草 100,000Bq/kgのものをおひたしで100g(10,000Bq)
キャベツ 100,000Bq/kgのものを野菜炒めで200g(20,000Bq)
牛肉 100,000Bq/kgのものを100g(10,000Bq)
豚肉 100,000Bq/kgのものを100g(10,000Bq)

このぐらいの種類と量を30日間毎日摂って
ようやく1か月の累積が100,000μSvになります。


もし半年続けても累積は600,000μSvで、
白血球が一時的に減少する500,000μSvより
わずかに多いぐらいです。


白血球が一時的に減少するとは、
血液検査で分かるぐらいであり、
このレベルの被曝でも
自覚症状はないわけです。


しかも半年で考えるときは、
細胞の修復能力を考慮すると、
単純に加算した値よりは
少なく見積もるのが妥当です。


よってこのぐらいの放射線量でようやく、
テレビや新聞を毎日しっかり見て、
今後の放射線量の増加に
注意しましょうというレベルです。
半年ぐらい摂取しても
健康にはほとんど影響はないでしょう。


そして水の暫定規制値300ベクレル/kgは、
ここで計算した数値の 数100分の1です。
規制値以内であれば全く心配いりませんし、
超えたとしても規制値の2倍ぐらいなら、
やはり心配する必要は全くありません。


100倍の30,000ベクレル/kgでも
数週間であれば全く問題ないでしょう。


累積の被曝量について

短時間での大きな被曝をした場合は
問題があることが分かっています。


しかし、長期にわたり小さな被曝を
した場合、どの程度問題があるかは
あまり分かっていないようです。


子供が甲状腺ガンになることは、
通常の生活をしていれば
ほとんど発症することはありません。
しかし数千人に上る患者が
チェルノブイリの事故後に現れたわけです。


また甲状腺ガンの患者は、
事故直後ではなく、
5年後くらいから増え始めたそうです。


したがって被曝量は蓄積するのではないか
と予想される訳です。
しかし実際にそれを裏付ける調査が
しっかり行われた訳でもないようです。


実際は雨などが降った後に、
放射線濃度の高い水を飲んだり、
数時間で果菜に水をため込んだ
キュウリなどを果菜を食べたりして
数日で大きな被曝をしたのかもしれません。


また累積するにしても、
全ての人が発症したわけではないため、
どの程度で発症するのかというところは
詳しく分かってはいないようです。


結局、短時間で被曝した時の数値を利用し、
小さな被曝が累積すると仮定した場合の議論を
しているわけです。
しかしこの議論は本当に意味があるかは
分かりません。


またガンなどの病気は
普通に過ごしていてもなり得る病気です。
集団で見た場合危険度が増加しているとしても、
個人で見た場合は、
そのガンが被曝によるものかどうかを
判断するのは無理です。
(唯一子供の甲状腺ガンだけが
 被曝が要因と言い切れるケースでしょう)


結局のところまだまだ研究が
必要な分野だと言えます。


ただ、蓄積するという前提で議論することは
最悪のケースを想定することになる訳なので
それ以上の問題は絶対に起きません。


放射能よりこわいもの

ストレスは健康に与える影響が
非常に大きいです。
全ての病気はストレスに起因すると話す
お医者さんもいるくらいです。


地震だけでも相当のストレスを感じています。
ものの買い占めや放射能への過剰な反応は
ストレスをさらに高めます。


気にしすぎない、冷静に対応する、
ということが、健康には一番重要と思います。