童謡「赤とんぼ」

童謡「赤とんぼ」の3番の歌詞に出てくる「ねえや」について
あまり深く考えたことがありませんでしたが、
女中さんのことだと知り、改めて歌詞を味わってみました。

姐や(ねえや)について

姐やとは、子守りをするために奉公している女性のこと。
小学校を卒業したばかりの場合が多いが、
明治時代には働き手となるのが当たり前の年齢でした。

1番

「夕焼け小焼けの赤とんぼ、負われて見たのはいつの日か」


姐やにおんぶされていたあの日、
姐やとの信頼やつながり、安堵、充実感など
とても幸せを感じていた時だったなぁ。

2番

「山の畑の桑の実を小籠に摘んだは幻か」


そういえば姐やと桑の実を摘みに行ったとき
姐やとなにか約束した気がするけど、
あれってどうなったんだろう。
姐やともう一度会って話したいなぁ。

3番

「十五で姐やは嫁にいき、お里の便りも絶え果てた」


姐やの実家に手紙を送っても
最近は全く返事が来なくなってしまった。
どうにかして姐やと連絡を取れないものだろうか。

4番

「夕焼け小焼けの赤とんぼ、とまっているよ竿の先」


竿の先にとまっている赤とんぼのように
姐やも私のもとにずっといてくれればよかったのに。


感想

あまり深く考えていなかったとき、
主人公は女の子で、お兄さんかお父さんに
おんぶされているというイメージを持っていました。


今回、自分なりの解釈で詩を味わってみました。
姐やに恋心を感じていたと捉えましたが、
実際のところは本人亡き今は知りようがありませんし、
本人がいたとしても真実を語るとも思えません。


ただ、恋心または母性を感じていた可能性は
高いと思います。


嫁に行く15歳までの数年間は、
大人にとっては短い時間ですが、
子供にとってはとても思い出の多い期間です。


幼い頃の心残りが美化され、
よい思い出として定着してしまうのは、
男としてごく自然な反応だと思います。